輸出入に使われるタンカーやコンテナ船、護衛艦、クルーズ船など、さまざまな種類の船が海上で活躍しています。
人やモノ、石油やガスなどを運ぶインフラであり、日本の周辺海域を守る要であったりと船は社会を支える大切な動く建造物です。株式会社 山電は日本全国様々な造船所の指定業者・協力会社として技術力を提供しています。
今回は、船ができるまでの工程のなかで当社が主に請け負っている業務について紹介します。
船はブロックで作られる!造船の基本工程「ブロック工法」とは?
造船では「ブロック工法」という方法が採用されています。これは、船を複数のブロック(部品の塊)に分けて製造し、それを組み立てる技術です。完成したブロックをドックや船台に運び、クレーンでつなぎ合わせていきます。
小組立から大組立へ
まずは「小組立」という工程があり、小さな部品を溶接で組み合わせパーツを作っていきます。「小組立」で完成したパーツを「中組立」でつなぎ合わせて、中規模の部品を製造します。「中組立」で作られた部品を組み合わせ、最終的に巨大なブロック(船の一部)を完成させるのが「大組立」です。
この過程で完成したブロックを巨大クレーンで吊り上げて船に搭載し、船の全体像が徐々に形作られます。
艤装
ブロックができると様々な部品や部材を取り付けていく「艤装」の作業に入ります。
様々な部材とは、例えば手すりやドア、電線を通す金具、など船のあらゆる装備のことです。
図面や指示に従いながら船体に溶接を用いて取り付けていきます。ブロックは作業をしやすいように反転状態で天井などの装備を取り付け、その後正転させて床への取り付けなどを行います。
配管
艤装作業と合わせて配管の取付作業も行います。
配管とは、船をいくつかの塊(ブロック)に切り分けたものに大小さまざまな配管を取り付けていく作業です。
図面や指示に従いながら船体に溶接を用いて取り付けていきます。船を切り分けられているブロックはのちに積み上げられながら大きな船体となります。船には様々な配管が張り巡らされ、上から下まで通る配管、ブロックを横断する配管などがあり、のちにブロックとブロックを接合するときに配管もつながるように設置していきます。
配管の太さや長さは様々で、クレーンで吊りながら作業するものからホース程度の細いものまであり、図面や指示書を確認しながら取付していきます。
電装
居住区(船員の部屋や操舵室などがある部分)のブロックを縦横につなぎ合わせたあとに「電装」の業務に入ります。
船の動力からあらゆるところに電気を送る送電網を張り巡らす船の電気工事です。天井や壁に電線を這わせ、機器類をつないでいく作業で、配管と同じで図面や指示書を確認しながら配線していきます。
造船は様々な仕事で成り立っている
造船の仕事で山電が主に請け負っている小組から艤装、配管、電装と紹介してきました。他にも設計や塗装、内装工事の仕事など数多くの職種の技術を結集して船が作られていきます。
小さい部品から大きな船ができる工程に携わることはものづくりが好きな人にはとてもやりがいを感じる仕事だと思います。
ぜひ、私たち山電と一緒になってモノづくりにかかわる技術を活かして社会を支えていきましょう。